★本日の読みどころ1
「知床遊覧船社長『出航判断は誤り』 初会見で謝罪」=1、23面
北海道・知床半島沖で乗客乗員計26人が乗った観光船「KAZU 1(カズ ワン)※」が浸水した事故で、運航会社「知床遊覧船」(北海道斜里町)の桂田精一社長が27日、同町のホテルで記者会見し「亡くなられた被害者の方、捜索中の被害者の方、申し訳ございませんでした」と謝罪しました。
事故発生から5日目。公の場で初めて事故の経緯などを説明し、出航判断の誤りを認めました。桂田社長によると、事故当日の23日は午前8時ごろ、豊田徳幸船長と今季初の運航を協議。船長から「午後から天気が荒れる可能性があるが、出航は可能」と言われ、海が荒れたら引き返す「条件付き運航」を決めたといいます。桂田社長は「出航を決めたのは私」としつつも「引き返す判断は船長」と述べました。出航時には知床半島を含む地域に強風注意報と波浪注意報も出ていましたが、桂田社長は出航を決めた理由について「(朝は)しけていないし、風もなかった」と述べました。
一方、事務所の無線アンテナが故障していたことを23日朝に知ったとしたが、携帯電話や隣接する同業者の無線で船との連絡は可能として出航を中止しなかったと説明しましたが、事故時に携帯電話は通じず、緊急事態を把握したのは同業者の無線でした。船長は謝罪しながらも「客の要望があった」と責任を転嫁するような発言も目立ちました。
※「KAZU 1(カズ ワン)」の「1(ワン)」はローマ数字になります
★本日の読みどころ2
「学生は無料 就活エージェントの光と影」=6面
2023年春に卒業予定の学生の就職活動が本格化しています。最近は企業選びから面接対策までサポートする「新卒エージェント」を利用する就活生が増えています。新卒エージェントは学生の就職活動を支援するサービス。学生がサイトに自分の情報を登録すると、専任のコンサルタントがつき、就活に関する相談やエントリーシートの添削などに応じるほか、学生の希望にそって企業が紹介されます。学生の利用は無料で、学生を採用した企業がエージェントに紹介料を払う仕組み。
ただ、利用が増えるにつれ、一部のエージェントと学生の間のトラブルも増えているといいます。業界関係者によると、新卒エージェントは就活生を1人入社させるごとに50万~数100万円の紹介料を企業側から受け取りますが、学生が内定後に辞退すれば、紹介料が支払われません。あるエージェントの関係者は「最近は企業の採用活動が早まり、内定から入社までの期間が長いので、気が変わって別の会社を受ける学生もいる。時間をかけて指導しても、学生が辞退すれば無駄になる。そのため、入社を強要したり、内定辞退をしないよう迫ったりするエージェントもいる」と打ち明けます。その実態や背景に迫ります。
★本日の読みどころ3
「高槻襲撃事件 自作の筋弛緩剤で殺害の疑い/死亡の高校生を書類送検」=23面
大阪府高槻市の集合住宅で2月、住人の柴田周子さんが襲撃されて亡くなった事件で、死亡した私立高校の男子生徒(17)が持ち込んだ計4本の注射器から筋弛緩剤と同一成分の液体が検出されていたことが大阪府警への取材で判明しました。
男子生徒は購入した複数の薬品で筋弛緩剤を自作したとされ、府警は27日、柴田さんにこの筋弛緩剤を投与して殺害したとして、男子生徒を殺人などの疑いで書類送検しました。府警捜査1課によると、男子生徒は柴田さんの長女と中学時代の同級生で、交際を迫っていたが断られており、長女に一方的な恨みを募らせていた可能性があります。筋弛緩剤は全身麻酔が必要な手術などで使われるが、適切に使用されなければ呼吸不全で死亡する恐れもあり、医薬品医療機器法で毒薬に指定され、医療機関などで厳格な管理が求められています。
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