★本日の読みどころ<1>
「琉球遺骨は『研究資料』か『ご先祖』か/戦前に京都帝大持ち出し/返還請求訴訟あす判決=31面
昭和初期に旧京都帝国大(現京都大)の人類学者が、研究目的で沖縄の中世の墓所から遺骨を持ち出し今も返還しないのは違法として、子孫に当たるとする沖縄県在住者らが、遺骨を保管する京大に返還などを求めた訴訟の判決が21日、京都地裁で言い渡されます。大学が収集した遺骨を巡ってはアイヌ民族の遺骨の返還を北大側に求める同種訴訟がこれまでに起こされたが、返還を前提にした和解で終結しており、研究者による遺骨収集の是非を巡る初の司法判断とみられます。
墓所は沖縄県今帰仁村にある「百按司墓(ムムジャナバカ)」で1429年に琉球統一を果たした第一尚氏の貴族らが葬られた、14~15世紀の風葬墓とされています。訴状などによると、1929年と33年、京都帝大の研究者らが、百按司墓から住民らに無断で多数の遺骨を持ち出したもので、原告らは第一尚氏らの子孫に当たるとして、京大が保管する26体分の返還を求めています。この訴訟で京大側は、遺骨と原告の関係性が明確ではないと主張し、返還を拒んでいます。この裁判は、沖縄への戦前の帝国大学の研究者の差別意識や植民地意識、現在の京大の学知の姿勢も問うものであり、司法の判断が注目されます。
★本日の読みどころ<2>
「秋篠宮さま 20日からの伊勢神宮報告は異例の車列移動」=28面
秋篠宮さまは20~23日の日程で、伊勢神宮(三重県伊勢市)などに皇位継承順位1位の皇嗣になったことを報告するため、三重、奈良、京都の3府県を訪問されます。通常、こうした移動は新幹線など鉄道を利用するケースが大半だが、今回は自動車での移動が中心となります。秋篠宮さまの立皇嗣の礼は2020年11月8日に行われ、その後、速やかに伊勢神宮などを参拝する予定でしたが、新型コロナウイルス禍が収まらず、参拝は延期されていました。鉄道利用では駅で見物客らの出迎えで密集が生じかねず、コロナ感染抑制と両立させるために、自動車での移動が中心となりました。
通常、天皇陛下や秋篠宮さまらの警備をするのは、訪問先の都道府県警です。新幹線での移動の場合は、県境をまたいだ停車駅で、地元警察と交代します。その間、皇宮警察の皇宮護衛官は直近での護衛を続けます。一方、自動車での移動の場合は、皇室の方々の車列を止めることなく、交代する必要があります。
今回は皇宮警察以外に警視庁、神奈川県警、静岡県警、愛知県警、三重県警、奈良県警、京都府警などが関わり、原則として都府県境を越えるたびに引き継ぎが行われる見込みです。関係者は「今回は長距離移動なので、事故渋滞などに巻き込まれる可能性がある。万全を期した警戒が必要だ」と話しています。
★本日の読みどころ<3>
「低所得の子育て世帯に5万円再支給を政府検討」=2面
政府が月内に取りまとめる物価高への緊急対策で、低所得の子育て世帯を対象に子ども1人につき5万円を再支給する方向で検討していることが19日分かりました。岸田文雄首相は生活困窮者への支援を緊急対策の柱の一つと位置づけて具体策の取りまとめを指示しており、給付金の対象や金額が焦点となっていました。
政府は、新型コロナウイルスの感染拡大による経済的影響が大きい低所得の子育て世帯に対して2020年度に2回、21年度に1回、給付金を支給。当初は児童扶養手当を受給するひとり親世帯のみが対象だったが、21年度の給付では両親がそろっている住民税非課税世帯にも範囲を拡大。子ども1人あたり一律5万円を給付した。今回の給付も同様の枠組みが念頭にあります。
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