★本日の読みどころ<1>
「ウイグル族収容写真や2万人リスト流出/中国幹部発言も/弾圧実態判明」=1、3、8面
中国新疆ウイグル自治区でウイグル族らが再教育施設などに多数収容されている問題で、共産党幹部の発言記録や、収容施設の内部写真、2万人分以上の収容者リストなど、数万件の内部資料が流出しました。「(当局に)挑む者がいればまず射殺せよ」などと指示する2018年当時の幹部の発言もありました。今回の資料は、在米ドイツ人研究者、エイドリアン・ゼンツ博士が入手。毎日新聞を含む世界14のメディアがゼンツ氏から「新疆公安ファイル」として事前に入手し、内容を検証。取材も合わせ、同時公開しました。写真が流出したのは、自治区西部の「テケス看守所(拘置所)」とされる収容施設。写真では、手錠や足かせ、覆面をつけられ連れ出された収容者が、「虎の椅子」と呼ばれる身動きができなくなる椅子で尋問を受けています。収容者のリストには、身分証番号や収容の理由、施設名などが記されており、ほかに警察署などで撮影された収容者約2800人の顔写真も流出しました。ゼンツ氏によると、資料はシュフ県とテケス県の公安当局のコンピューターから第
三者がハッキングを通じて入手し、ゼンツ氏に提供したと説明しています。資料からは中国当局が、イスラム教を信仰するウイグル族を広く脅威とみなし、徹底して国家の治安維持を優先している実態が明らかになりました。
★本日の読みどころ<2>
「知床観光船 えい航中に落下/182メートル海底へ」=27面
北海道・知床半島沖で観光船カズワンが沈没した事故で、第1管区海上保安本部は24日、「日本サルヴェージ」の作業船「海進」で水深約20メートルの位置につり上げた状態のままえい航されていたカズワンの船体が落下したと発表しました。引き揚げ作業を行う予定だった斜里港沖への移動中でした。船体は、ウトロ漁港(同)から西へ約11キロ離れた水深182メートルの海底で見つかりました。1管によると、カズワンをつっていたベルト5本のうち、船尾側の2本が切れていたといいます。この先、26日に海底からつり上げ、海進に横付けした後で、26日中に別の海域へ移動して船上に引き揚げる予定です。25~26日の作業は特殊な「飽和潜水」ではなく、遠隔操作型無人潜水ロボット(ROV)で対応するとのことです。またカズワンの沈没事故で、国土交通省は26日、運航会社「知床遊覧船」対する事業許可取り消しの行政処分に向けた手続きに入ったと明らかにしました。事故後の特別監査で、海上運送法に基づく「安全管理規定違反」だけで17件を確認しました。
★本日の読みどころ<3>
「不明の『野ざらし紀行』半世紀ぶり発見/芭蕉直筆の図巻/京都の美術館確認」=24面
江戸時代の俳人・松尾芭蕉(1644~94年)が俳句とともに絵も描いた「野ざらし紀行」の図巻が見つかったと、京都市の福田美術館が24日、発表しました。野ざらし紀行は芭蕉の最初の俳諧紀行で、独自の俳句世界を打ち立てる契機となった作品とされます。自筆・自画本は、1970年代半ばから半世紀近く所在が確認できていませんでした。図巻は長さ約14.4メートル、幅約23センチ。同美術館によると、2021年12月に大阪の美術商から購入しました。この図巻を巡っては、1960~70年代に俳文学研究者の岡田利兵衞氏が図版と詳細な研究成果を出版しており、他の芭蕉の筆跡などとも照合して真筆と判断しました。芭蕉は、晩年の10年の多くを旅にあて、傑作「奥の細道」を残しました。第1作となる「野ざらし紀行」は1684年8月に江戸をたって故郷の伊賀(三重県)へ帰り、奈良、京都などを巡って、翌85年4月末に江戸に戻るまでの約8カ月の旅程が基です。芭蕉が詠んだ43句と21場面の絵が1巻に収められ、冒頭の「野ざらしを心に風のしむ
身哉」、桑名で詠んだ「明ぼのやしら魚しろきこと一寸」などが広く知られています。
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